武庫川廃線(西宮名塩-武田尾)

Submitted byshin on火, 2009-09-22 19:35

親父が昔勤めていた会社の保養所が9月一杯で無くなるってことで、小さい頃から何度も
行っていた六甲の保養所に急遽泊まることになった。
で、折角六甲に行くんだし、どこかいいところ無いかなぁ(神戸方面は人が多いのでパス)
と調べていた所、生瀬-武田尾を通っていた武庫川廃線跡がハイキング
で隠れた名所になっているというのを見つけ、ついでに昔から中国縦貫高速道路を通る度
に気になっていた名塩の斜行エレベータ(この時点ではエスカレータだと思っていた)にも
行けるなぁ、ってことで、決まり。

いろいろWEBで調べた結果、武庫川線は、西宮名塩ニュータウン開発で名塩駅を作る
為に1986年08月に廃線、その後、ニュータウンが1991年に出来たとのこと。実は廃線と
ニュータウンは密接な関係があったのだ。
また、ハイキングのポピュラーなルートは、生瀬-武田尾で、車で行く場合は、武田尾駅
近くの駐車場(1日500円)を使用する人が多いらしいのだけど、武田尾へはかなり遠回り
しないと駄目なのでどうしようかなぁ。と思って地図を眺めていたら、生瀬駅からと西宮名
塩駅からは殆ど距離が変わらないのを発見。西宮名塩駅周辺なら駐車場はあるだろうから
こちらからアクセスすることにした(斜行エレベータへのアクセスも良くなる)


■西宮名塩MIDパーキング
西宮名塩MIDパーキングの料金表。WEBで調べたら24時間1000円だったので、
1000円を覚悟していたんだけど、現地に到着すると4時間以内は100円なことが判明
もともと立地条件が悪いのでこれくらいの値段が適当な気がしないでもない


向こうに、斜行エレベーターが見えるんだけど、帰りまで我慢。



名塩から武庫川廃線までR167の旧道を歩く。 途中、2等水準点(標高70m)や、廃線の看板をつかった駐車場出口がある民家を見かけたり、
と味が有る。ここは、西宮名塩ニュータウンが出来るずっとまえからあった町並みらしく、
2等水準点の右奥は樹齢250年(だったかな?)の老木(何の木だったっけ?)がそびえている


■R176からの分岐
旧道からR176に合流した後、暫く南下すると、R176を挟んだ反対側に「木元地蔵尊霊場」の看板がある交差点
(横断歩道橋あり/信号無し)を左に降りた所が廃線の始まり。
この交差点、わかり辛いらしくて、生瀬から来たハイカー達が下を覗き込みながら北上して来ていた
こちらはそのハイカーのおかげで交差点に悩まずにそのままエントリすることができたので、初めて
の時はハイカーが多いシーズンの方がいいかもしれない(紅葉のシーズンとか)。



分岐ポイントから北方向を見ると白い歩道が細く伸びているのが見えるんだけど、
これが廃線跡。反対側を見ると‥完全に道が埋まってしまっている。
過去はR176の向こう側から廃線跡が続いていたらしいのだけど、これじゃ通れない。


よく見ると枕木がうっすらと地面から出ているんだけどわからない程度(雰囲気いまいち)







歩いていくと、最初の小さな橋梁に出会う。
「ここは廃線でハイキングコースではないですよ」と微妙な表現をしていて、
本音(ハイキングに開放してあげたい)と建前(メンテナンスしていないので
事故の補償は出来ない)の狭間にゆれるJR西日本を感じてしまう。
橋からは武庫川渓谷が見える。この武庫川渓谷、思ったより綺麗ではなくて、
特に最近下った気田川と比べてしまうと厳しい。実際匂いが辛い。なんとかならない
ものだろうか。という訳で、コースに自信がある人は、匂いが弱くなる冬か春先がおすすめ








途中、見張り岩、向こう岸の崖から崩れ落ちてきた大岩、3等基準点(※)、標識等々を
眺めながら歩くと‥
※実は、2等水準点を見つけた後、3等水準点を見つけたので嬉しがっていたのだけど
 見返すと、3等基準点だった。
 ちなみに、姫路市の説明では、
 基準点は、"位置情報だけでなく、隣接する基準点への距離や方向などの位置関係に関
 する情報が与えられた標識"で、水準点は、"高さに関する情報をもった標識"とのこと。






■北山第一トンネル(318m)
最初のトンネルを発見。
対岸の岩が人の顔に見える(息子は怖がっていた)という説明の看板や、山岳会のメッセージ
(この後随所にこの看板がある。あったほうがいいのかわるいのか、微妙だ)の看板を後に
トンネルに突入。このトンネルはランプが無くても何とかなりそうなんだけど、やっぱり
最初のトンネルは怖い。いつも反抗的な息子は通じて私の服や鞄の紐を握ってトンネルを
通過していてちょっと親父の気分(反抗的な時はここにハイキングするってのもいいかな?)




まだ行程の半分も行ってないのに、息子が腹が減った-というものだから、
休憩に良さそうな河原もあることだし昼食がてらの休憩。
何か見えるかなぁと、双眼鏡を持ってきたのだけど、鳥が全然みたらなくて残念



■北山第2トンネル(413m)
一つ目のトンネルと違い、長いくて曲がっている為、向こうが全く見えないのに加えて
なぜか枕木を壁に立てかけてあるのでちょっと怖い




トンネルを抜け、小さ橋梁や、崖崩れ防止トンネル(?)、滝(溝滝?)を見ながら進む
滝はなんとなく、櫛田川と蓮川合流部の滝に似ている(相変わらず水は汚い)



■横溝尾トンネル(149m)
3つめのトンネルを発見。
ここは、トンネル自体はたいした事が無いのだけど、トンネルの先に見える赤い橋
がとても綺麗なのだ。写真でうまく撮れなかったのが残念



■武庫川第2橋梁(72mのトラス橋)
このハイキングコース最大(後は雑魚)の橋梁に到達。
この橋を境に、右岸沿いを走っていた廃線は左岸沿いに移る
ここは、枕木の上ではなくて、脇の保線路をあるかないとけいない。とはいえ、
枕木はかなり朽ちていてあんまり歩きたい気分にはなれないんだけどね。




■長尾山第1トンネル(307m)
橋を渡るとすぐに第3の橋に到達。
入り口の看板から、長さ306.4m,所要時間5分が読み取れる。...ん?ということは
時速6kmじゃん。とても遅い電車なのであった。
このトンネルは湧き水があって地面が濡れて滑りやすいので注意なのだ




トンネルを越えてすぐに、掘りかけてやめてしまった小さなトンネル(もしかしたら
待避所なのでこれで完成なのかも)を横目に見て進むと、ちょっと道が広がって、
その真中に岩で作ったベンチが置かれている。疲れはじめた時にこの心配りは嬉しい
ただ、座ろうとしたら岩にスズメバチが止まっているのを発見してビックリ
その後は、枕木が綺麗に見えていて、回りの森のおかげでしめった道が続く。
最初がこちらで後からエントリの様な道だと気分的に辛いので、やはり生瀬⇒武田尾方向
の方がお勧めだと思った。



■長尾山第2トンネル(147m)
5番目のトンネルに到着‥というか、ここらになると何個目のトンネルなのか地図を見ないと
わからなくなってくる
このトンネルは、両側をコンクリートで押さえている、初のタイプで、そのコンクリート
が苔に覆われている、と、とても雰囲気がいい所なので、記念写真を撮る人が多い



トンネルを過ぎると川は穏やかに様相を変えていた。
気付くとあの臭さもなくなっていて、同じ水が流れているのになんでなんだろう?
と、不思議になる。もしかしたら、中間は流れのせいで、ヘドロが堆積しやすい状態に
なっているのかもしれない(と、適当に考えた:>)


■長尾山第3トンネル(91m)
そしてこれが6つ目、最期のトンネル‥なんだけど、もう感動が全然無い




で歩くと、川の向こうに武田尾駅に向かう電車を発見してもうすぐ終わりなん
なぁと思っていたら、有終の美を飾る(?)ちょっと立派な橋を超えてハイキング終了。
その後、わざとハイキングコースからちょっと外れて武田尾の町並みを歩く。
ビールを飲みたかったんだけど、よく考えたらこの後運転するので我慢、我慢
そうそう、トイレは、橋の手前の簡易トイレ、武田尾駅前駐車場入り口、武田尾駅改札手前
の3箇所あった





■武田駅
で、武田尾駅に到着(20分おき程度で電車が到着している様子)。
武田尾駅は、ホームの北側半分がトンネルの中で、南側はホームの先(川の上)をちょっと
行くとまたトンネル、と、なかなか見かけないタイプの構造になっている。
そうそう、ハイキングの途中と駅前の2箇所でパイプが通っていて、ハンディGPSを見ると
上流から下流の方に直線で結ばれているので、てっきり発電用だと思っていたのだけど、
帰って地図を見ると、武田尾駅から西北西に4km位行った所にある神戸水道千刈水源地から
生瀬横の忽川浄水場に水を運ぶ、神戸水道というものだったらしい。


■西宮名塩駅
ちなみ西宮名塩駅も、トンネルから出てホームがあるんだけど、ホームの先はトンネル





■名塩ニュータウン(創造の丘ナシオン)の、斜行エレベーター
で、第2の目的地である、斜行エレベータへ。
中国自動車道から眺めた時は、てっきりエスカレータだと思っていたんだけど、
現地に行ってビックリ。階段をはさんで、赤と緑のエレベーターが上り下りしてい
るのだった(ケーブル?と突っ込みたくなる)。暫くまってエレベータがやってきた
ので3Fまで上がる(標高差60mで、1F,2F,3Fに止まる)。
エレベーターで上がらないと駄目な点をのぞくと、いたって普通のニュータウンだった
逆にいうと、このニュータウンの人達がこのエレベーターに集中するとなると
エレベーター回りはそれなりに混んでいるのかも。実際下りのエレベータを待ちくたびれて
階段で降りてしまった。






R176が混んでいたので生瀬駅前の道で六甲にアプローチ(道が狭かった。空いているなら
R176がお勧め)して、六甲ケーブル乗り場の風景を楽しんだ後、保養所でのんびり
夜景を撮ったんだけど天気が悪くてあまりきれいに撮れなくて、早朝出発(奈良の自宅経由で
京都の会社に行かないといけなかったものだから5時出発)の時に晴れていたからリベンジ
したんだけど、やっぱり夜のほうが明りが多いから綺麗かな?
ターゲット 武庫川廃線:R176分岐--武田尾,1時間45分,5.38Km
ハイキング
9:15(自宅)⇒11:01(西宮名塩),1時間40分,55Km
14:52(西宮名塩)⇒15:51(六甲ロープウェイ乗り場), 1時間,25Km
5:03(六甲保養所)⇒5:38(宝塚)⇒5:56(吹田)⇒6:11(門真)⇒6:47(自宅), 1時間42分,69Km
車移動軌跡
駐車場 西宮名塩MIDパーキング4時間まで100円(24h1000円)がお勧め
買出し 西宮名塩MIDパーキング横にコンビニあり